真っ白な心 雲の様に掴めない存在 憎めない…アイツ。
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…ダンッ!
一回り、大きな音が響いた。
人気の少ない荒野で。
おれは半ば強制的に、彼に連れてこられた。
「いっ…た…!!」
連れてこられて早々、荒野に聳える岩場の影に隠れた。
吹いていた風の音が止み、辺りがシンと静まり返ると、彼は掴んでいた腕を乱暴に離す。
彼の力は相当なものだった。
「なんだよお前、こんなもんで怯むのか?」
「っ…君が! 加減を知らないから…!」
ダンッ!!
「…あ……。」
「へっ、そんなへなちょこだから… " あんな奴 " の力借りなきゃいけねぇんだ。」
厚い岩に背を委ねていたつもりだった。
だが、それも
彼(バーサーカー)程の力の持ち主なら、紙同様。
直ぐ真横の岩が、抉られた。
思わず、震え上がる。
足元が、がたつく。
表情が、自然に強張る。
「…また、その目かよ。お前どんだけへなちょこなんだ?」
まるで恐ろしいものでも見たような、恐怖に怯えた瞳をしていたのだろう。
彼は本当に力の加減を知らない。
…このままじゃ、不味い。
脳は、今すぐ彼から逃げるよう指示している。
しかし、思考とは正反対に、恐怖を覚えた身体は…うまく動かない。
まるで、蛇に睨まれた蛙だ。
「よぉ、オレが鍛え直してやろうか?」
「……っ!?」
彼が腕を伸ばす。
赤い胴着を、掴む。
また…紙の如く破られてしまった。
「ちょ…!!」
「けっ、ひょろい身体しやがって。」
破られた胴着から覗くのは、戦場に赴いているとは思えぬ程に、しなやかな身体。
男にしては、綺麗過ぎる。
「相当、大事にされてるみたいだな。…さてと。どっから鍛えてやろうか?」
「や…やめ…っ!?」
「此処からか?」
「っ…あ…!!」
彼の黒く焼けた指先が、上半身を滑る。
ツー…と白い肌をなぞり、行き着くのはぷっくりとした綺麗な胸の先。
それを、また乱暴に摘まれた。
「ひぁあっ!!」
「うるせー…、やっぱよえーのな。」
「あぅ…っくぅ…!」
生理的な涙が頬を伝う。
いつの間にか、彼の片手に両腕を拘束されていた。
情けない事に、おれの力じゃ解けない。
…逃げ場が、無い。
このまま、壊されるのだろうか?
犯される…?
どちらにしても
怖い、恐い、コワイ
「っ……。」
…誰か…
…助けて…。
叶わない、願いと共に
瞼が堕ちる…。
「何をしている。」
「…!?」
ガッ……!!
「ぐあっ!!」
「…、…!」
突如、目の前にいた彼が大きく吹き飛ばされた。
おれは、何が起こったのか…一瞬分からなかった。
「…ふん、やはりガードは甘い。」
「あ……。」
ただ、その姿を見た時に
全身を、安心感が包み込んだ。
「…13号さん…。」
「……。」
彼は、いつもと変わらない瞳で今のおれを捉えた。
まず、伸びてきたのは
「大丈夫か。」
顔に添えられた、冷たくも優しいその手と声。
「っ…!」
恐怖に解放された身体は、ようやく動く事を許された。
殆ど無意識に。
彼の広い胸元に飛び込む。
「おい…。」
「っ…ふえぇ…っ!」
13号さんは大層呆れていたと思う。
けれども、彼は泣きじゃくるおれを。
「…泣くな。」
やっぱり、優しく包み込んでくれた。
「くっそ…! てめぇ…13号! 邪魔すんじゃねー!!」
瓦礫の山から、派手に飛び出すバーサーカー。
もはや止めようがない程に、いきり立った彼は…おれと13号さんに向かっていた。
「……。」
「あ…!」
13号さんはおれを退かした。
羽織るベストと、帽子をおれに掛けて。
それは、おれでも感じ取れた。
怒りと言う名の、殺気。
「消えろ。」
-+-+-+-+-+-+-+-
「全く。 自分がどんな目にあったか判っていないのか。」
「ご、ごめんなさい…。」
戻ってきて早々、こっぴどく叱られてしまった。
あの後、バーサーカーが13号さんに殺されそうになったのを、おれが止めたのもある。
貴様は甘すぎる、だとか。
弱い、だとか。
その通りだから、何も言い返せなかった。
迷惑…かけてるのかな。
おれ、13号さんと一緒にいない方が…いいのかな。
「……。 …ふん、貴様の行動は全て読んでいるぞ。」
「…え?」
「俺から逃れる事など、不可能だ。」
その言葉の意味って……。
「迷惑をかけまいとするなら、修行を積め。」
「…!…は、はいっ…!!」
(彼は傍にいてくれる)
(おれも一緒にいたいから)
(…強くなろう)
(俺が貴様を手放すものか)
end
リア友とヒーローくん×バーサーカーくんの話をしていた事が切欠でできた…この駄目文。
決して仲が悪いわけじゃないんですが…バーサーカーくんは不器用です、ハイ。
ただ、オレの妄想の場合、絶対に13号が途中乱入して、これ以上の妄想をさせてくれないという…(笑)
我が家のヒーローくん、へなちょこというか、ドジというか…やっぱり強いイメージが全くないです(´∀`;)
そして遠まわしですが、13号もまたヒーローくんを手放す気が無い様で…。
そう、さりげなく両思い。
わかりにくいな…もう…じれったい!
でも今回は別人の如く、かなり優しかった気がします…(笑)
閲覧サンクスです!
そういえば、ツイッターで聞いた話
ヒーローアバターに女の子バーションが増えるのは…本当と書いてマジですか???
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訪れた素敵なお嬢様方数。
プロフィール
HN:
南 瓜々(みなみ ちゃちゃ)
HP:
性別:
女性
職業:
どっかの指導員
趣味:
イラスト、ゲーム、野球観戦
自己紹介:
劇場版人造人間とDBHのアバターを愛してやまない成人済多情系(?)腐女子とはオレの事です。
画力に自信がない故、メジャーCPは見る派に移行して、マイナーなキャラばかり描く傾向アリ。…故に、いつもぼっちです(泣)
愛用するPCはMacBookPrp、ソフトはPhotshop、Illustratorを初心者並みに扱っています…。
画力に自信がない故、メジャーCPは見る派に移行して、マイナーなキャラばかり描く傾向アリ。…故に、いつもぼっちです(泣)
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