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真っ白な心 雲の様に掴めない存在 憎めない…アイツ。
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あしたてんきになぁれ。





はぁ、最近ようやく梅雨がやってきたようで…。
じめじめするこの時期は、瓜々にとっては天敵です。天パーが爆発します…!!(汗)

ごほんごほん、そんな自分のことはさておき。

なんか変な物つくりました…てるてるぼうずのつもりなんですが。
久々のイラレだとこんなもんです、トホホ…(泣)



さて、そんな梅雨の時期に合わせた13号ヒーローくん(クロノ)の駄目文小説があったので、それもついでに…。
瓜々的には、ほのぼの……かな?最後はちょっとだけいちゃりますが(笑)

よければどうぞ、ごらんくださいや!(`・ω・´)




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「あーあ…また雨だね」


「あぁ。」




季節は梅雨に入った頃。じめじめした雨の日が続き、必然的にふたりは外出を避ける事が多くなってしまっていた。

しかしこの日は、予定がちゃんと立ててあった。
…クロノの一方的な外出プランではあったが。


「はぁ…、今日は都に行こうと思ってたのになぁ…。」

「……。」

「また雨降ってるし…。」


残念そうにがっくりと肩を落とすクロノ。

ここ数日、ずっとこの調子だ。


「…行けばいいだろうが。」


腕を組ながら、半ば呆れ顔の13号が言う。


「え…でも、濡れちゃ…もがっ。」

「要らん心配ばかりする奴だな。」


その小さく動く口を片手で覆った。 クロノの顔は、13号の手で半分が悠々と隠れる。


「もがもが…。」

「全く…。」


クロノが雨の日で外出を諦めるのは。

彼、13号に対して…未だに遠慮をする感情がある からだ。

彼に対して馴れ馴れしく接する事に、まだ躊躇いの心がある。
もう随分と長く、同じ時間を過ごしていると言うのに。

クロノが甘えを見せるのは、滅多にない。


「…都だったな、行くぞ。」

「わっ、ちょちょ…ちょっと待ってよー!」


少々強引だが、一回り小さなその手を掴んで、雨音の聞こえる外へと出て行った。
クロノは出ていく手前で、傘を咄嗟に二本手にとって。

先を行く13号の表情は、きっといつもの無表情そのものなんだろうが、クロノには小さく笑みが溢れた。


「…ありがと。」

「…。」


その声が、彼の耳に届いているかどうかは分からない。







    +-+-+-+-+-+








「…、…土砂降りだね。」

「そうだな。」



外出して早々、悪戯のごとく雨風が強くなった気がした。
途端に都の人気も減り、皆雨から逃れようと建物内に避難していく。

激しい雨が都全体を白く包む。
時には突風も吹き荒れて、外出どころではなくなってしまった。

そしてまた、天候は二人に悪戯を施す…。


「うわっ…、…あっ!」


不意をついた強い風。

クロノの山吹色の傘が、灰色の空に舞い上がった。


「傘…っ!」

「おい!」


思わず傘の柄を握ろうと、クロノ自身も身体が浮こうとするが。

13号がまた、その手を掴んで引き寄せた。

手に比例する、小柄なクロノの身体は、すっぽりと 彼の腕の中に収まった。


「……!」

「諦めろ、お前が風邪を引くぞ。」


大人一人でも濡れてしまいそうに小さな傘の中。 さり気なく、彼は傘をクロノに向けていて、濡れぬ ようにと雨除けになっていた。

クロノはそれに気付いた途端に、腕の中から抜け出そうとしたが。

肩を抱く、13号の腕はそう簡単には解けなかった。


「ねぇ!13号さんが濡れちゃうよ…!」

「ふん、ひ弱なサイヤ人のお前に体調を崩して貰う方が面倒だ。」

「うぅっ…。」


確かに己はサイヤ人としては未熟者…返す言葉がなくなってしまった。
13号が返す言葉も、普通に聞いていればそっけなくて、雨のように冷たい。

けれども、今はしっかりと優しさを感じる事ができた。
無表情な彼が、これも呆れ顔なんだろうが…小さく微笑していたから。

クロノは申し訳ない気持ちと共に、ちょっぴり嬉しさが込み上げた。


「…どうする? 帰るか?」

「…ううん。もうちょっと…このままでいたいな…。」

「…おいおい。」



それは此処じゃなくてもいいだろう、とは思ったものの。

雨の中で見た、少年の陰りない笑顔に…事を許してしまうのだった。


すると、天はその笑顔に応えるように。


「…、…え?」

「…む?」


薄暗い雲の切れ目から、幾つもの太陽の光が都に降り注いだ。

雨は止み、風もピタリと治まって。
蒼々とした空が顔を覗かせながら、くっきりとした美しい虹 が架かっていた。


「うわぁ…! すごいすごーいっ!」

「…ふむ。」


13号が腕の力を緩めると、クロノはするりと腕をすり抜けて。
ぱしゃぱしゃと水溜まりの水を踊らせながらはしゃぎ回った。

しかし、いつか足を滑らすのではないか? と、危なっかしく見えるのもまた事実。


「クロノ、滑るなよ。」

「大丈夫、大じょ…うわっ!」

「!」


言った矢先にこれだ。

クロノは水溜まりのど真ん中で大きく尻餅をつく。言わずもがな、跳ねた水によって全身を濡らしてしまった。


「いててて…。」

「お前という奴は…。」


呆れてものも言えない13号。
今日何度目か分からない溜息をつくと、痛みで座り込んだままのクロノに駆け寄っ た。


「トロいぞ。」

「ご、ごめんなさーい。」


えへへと苦笑いを溢して黒髪を掻くと、13号が伸ばした手を両手 で握った。

軽く水気を払うと、それを笑っているかのように、強い日差しが照りつける。


「…帰るか。」

「…あ…、うん。」


折角晴れたのにと、残念そうな表情を分かりやすく見せた。
そもそも服を派手に濡らした状態では、雨が降らずとも風邪を引くのがオチ…とクロノも分かってはいるのだが。

13号は小さく空を仰ぐと、今日一番大きな溜息をついた。


「…なんだ?まだ何かあるのか。」

「えっ、えと、そん……っ!?」




小さくリップ音。

不意に落とされたキスだった。


途端にクロノの表情は赤く火照った。


「…な、13号さん…!?」

「幸運な事に、誰も見てはいないから安心しろ。」

「そ、そういう問題じゃ…!」

「ふん。」

「あっ、ちょっと…待ってー!!」



ばちゃばちゃと水を蹴り、都を抜けていく二人。

クロノは追いかける事が精一杯で気付かなかったが、13号にしては珍しく穏やかな笑みを溢していた。




一面が水の世界のようになった地上では。

蒼い空と見事に掛かった虹がそれに映り、まるで第二の空が広がっていた。




梅雨時、悪いことばかりではないんだなと。
少年は改めて思うのだった…。





end.




お粗末様でした…!
ようは、デートさせたかっただけなんですよね(ぁ

最後まで閲覧していただき、どうもありがとうございましたっ!(ふかぶか



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訪れた素敵なお嬢様方数。
プロフィール
HN:
南 瓜々(みなみ ちゃちゃ)
性別:
女性
職業:
どっかの指導員
趣味:
イラスト、ゲーム、野球観戦
自己紹介:
劇場版人造人間とDBHのアバターを愛してやまない成人済多情系(?)腐女子とはオレの事です。
画力に自信がない故、メジャーCPは見る派に移行して、マイナーなキャラばかり描く傾向アリ。…故に、いつもぼっちです(泣)

愛用するPCはMacBookPrp、ソフトはPhotshop、Illustratorを初心者並みに扱っています…。
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